クスコの市街 (ペルー共和国)

0414-R1City of Cuzco (Peru)


2012年7月30日、飛行機の中で噂のクスコのことを想像していた。マチュピチュよりも標高が高いというその街はどんなに息苦しいのかを。以前富士山に登った時に、８合目あたりの宿で息苦しくて眠れなかったことを思い出していた。かなり警戒して空港をゆっくりと歩く。息苦しいのかはよく分からなかったけど、なるべく走ったりしないように心がけるようにした。

エジプト、カイロでの銃事件、フランスパリでの羽交い締め事件を経てのクスコ到着は、普段持つことのない、心の弱さを作っていた。日本から遠く離れた南米という場所。完全に危険信号が全身を覆っていた。同時に少し強くなっている自分の心にも気付いたりしていた。ただ、生きている。それだけで充分だった。

日本から予約したホテルは、Hostal Iquique Cuscoというホテルで、このホテルのママに「マチュピチュ」の入場券を予め買っておいてもらった。今はネットがあるから本当に世界は狭い。３０になる前に英語の勉強をしておいて本当によかったと思える瞬間だった。マチュピチュは専用のWEBサイトから予約することができるのだが、クレジットカード詐欺が多発するここ南米のサイトでは、僕のVISAカードはVpassを入れてもはじかれてしまって予約ができなかったのだ。だから宿のママに直接ヘルプを出して、チケットを買う約束をしてくれた宿に泊ることに決めたのだった。日本人の経営する宿もよかったが、この旅の中ではなるべく、日本人宿を使わないという気分だった。

約束通り、空港までママが迎えに来てくれていて、簡単に街まで辿り着くことができた。僕は仕切りに「この街はセーフなの？」とママに聞いた。クスコの街はそんなに危険ではないことを教えてくれて、とても安心した。砂利を敷き詰めたような質感の道路。この街はたくさんの石で出来上がっている。神秘的な街。歩道は人が横にならないと通れないほど狭く、車道は基本一車線。そのくせ交通量はまあまあ多い。通常の感度では体感できない不思議な景観が広がっている。

クスコの街を一人でぶらぶらする。入り組んだ路地を通って、その曲がり角を抜ける。坂を登って開けるとそこにはクスコの街の全貌が広がる。標高3600mの街。インカの英知が詰まった町並み。
とても知的で好奇心をくすぐる荘厳な街だ。こんな景色を見られて、こんな美しい街を描くことができて、僕は本当に幸せです。神様いつもありがとう。

0414-R
City of Cuzco (Peru)
クスコの市街 (ペルー共和国)
South America 南米 1983 Cultural
文化遺産 (iii)(iv)
S13 31 19.992 W71 58 59.988

インカ帝国繁栄時代の首都、植民地時代の聖堂
ペルーの南東クスコ県の県名および県都の地名。アンデス山脈中の標高3600mにある。現在の人口はおよそ30万人。クスコとは、ケチュア語 (Quechua) で、「へそ」を意味し、タワンティン・スウユ（Tawantinsuyu、インカ帝国の正式名称）の首都であり、文化の中心だった。現在でもペルーで有数の都市の1つである。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%82%B3

Situated in the Peruvian Andes, Cuzco developed, under the Inca ruler Pachacutec, into a complex urban centre with distinct religious and administrative functions. It was surrounded by clearly delineated areas for agricultural, artisan and industrial production. When the Spaniards conquered it in the 16th century, they preserved the basic structure but built Baroque churches and palaces over the ruins of the Inca city.
http://whc.unesco.org/en/list/273